波瀾万丈のグローバル転職キャリア形成記


伊賀 「こんにちは。お忙しいところありがとうございます! 白鳥さんのキャリア形成はホントに波瀾万丈で(笑)、お話しを伺えるのがとても楽しみです」
 
白鳥「こちらこそ宜しくお願いします!」

 

<聞き手 伊賀泰代>

 
伊賀「早速ですけど、高校から慶應に行かれていますね。中学時代に受験勉強を?」
 
白鳥「実は中学受験で落ちているので、リベンジ受験です(笑)
 
小学校 6年生になった頃、父親がいきなり『慶應を受けろ』と言い出して。普通に考えてそんな時期から勉強しても通るはずがないんですけど」
 

<白鳥明さん>
 
 
伊賀「確かにそれでは遅すぎますよね。“リベンジ”と言われましたけど、子供心に悔しかったということですか?」
 
白鳥「私は負けず嫌いなので、めちゃくちゃ悔しかったです。だから中学に入ってから必死に勉強しました。一年生の時から勉強の長期計画表を作って、もちろん塾にも行って、高校では絶対、慶應に入ると決めていました」
 
伊賀「それで見事、慶應義塾高校に合格されたわけですね。白鳥さんは、レーザー工学で博士号をお持ちですが、当時から研究者になろうと考えていたのでしょうか?」
 
白鳥「いえ、全く考えてなかったです。当時は会社員である父や親戚の影響もあって、大学を出たら大企業に入って、頑張って出世して安定した生活を手に入れたいと考えていました」
 
伊賀「えっ? それは今の白鳥さんのキャリアからは考えられない目標ですね!?」
 
白鳥「当時はバブル時代だったので、みんなそういう感じだったんです。父のように最初に勤めた大きな会社でずっと働くのが勝ち組で、転職する奴なんて負け組だと思っていました」
 
伊賀「既に 5回も転職されている白鳥さんが、そんなふうに考えていたなんてびっくりです。当時、サイエンスには全く興味がなかったんですか?」
 
白鳥「ブルーバックス(講談社が発行している自然科学関連の一般向け解説書、啓蒙書)は好きでしたね。相対性理論とかニュートンとか。だからサイエンスにも興味はありました。
 
でも将来の夢を書く作文には“野球選手”と書いたりしていましたから、なにも考えてない子供だったんですよ(笑)」
 
伊賀「子供の頃はみんなそんなものです(笑) 高校受験に成功し、『これで大企業に入ってエリートになれる!』と安心しましたか?」
 
白鳥「これで将来は安泰だと思いました(笑) ただ、勉強に関しては中学の時にあまりに頑張りすぎたので、高校ではやや燃え尽きていました。
 
クラッシックギターを少しやって、後は普通に遊んで、落ちこぼれない程度に試験の勉強もするといったところです」
 
伊賀「理系か文系か、大学の学部についてはどう考えて選んだんですか?」
 
白鳥「 3年生になって文理が分れる時に、物理と数学の成績がよかったから理系に行っただけです。政治や経済、法律には全く興味がなかったし。
 
慶應義塾高校って、医学部を目指してるグループだけは必死で勉強するんですけど、それ以外の生徒はのんびりしてるんです。私も医者に興味が無くて、数学と物理が得意なら理工学部でしょ、って感じでした」
 
 

★猛勉強した大学時代★

 
伊賀「それもありがちなパターンですね。 大学に入ってからは?」
 
白鳥「一年生の時、理工学部の体育会で軟式野球部に入ったんです。体育会だからそれなりに練習するんですけど、そしたら全然、勉強する時間が無くて・・・試験の時に成績が良くなくてびっくりしました」
 

<大学時代は理工学部の軟式野球部に所属>
 
 
伊賀「それで勉強する気になったんですか? 頂いた資料を見ると、大学時代の成績がすごいいいですよね。2年と 3年の時に A以外の教科は約 90科目中 1科目だけと書いてあって驚きました」
 
白鳥「たしか学科で 3位だったと思います。大学では外部から一般受験で入ってきた同級生と一緒になるんですが、彼らは私と同じようにサボっているのに試験の成績がいいんです。
 
聞いてみると、大学受験のために相当勉強しているから“貯め”が違う。1年生が終わった時それに気がついて、『ヤバイ、オレはこんなことしてちゃだめなんだ、勉強しなくちゃ』とわかりました(笑)」
 

伊賀「おもしろいですね。中学受験で失敗して高校受験で必死で勉強したり、大学一年生の時に、外部からきた同級生と比べて成績が悪くて発憤したり、ホントに負けず嫌いですね」
 
白鳥「それだけじゃなくて、勉強ってやってみると楽しいですよね。歴史など教養科目でも、きちんとコンテンツを理解するとおもしろいと気がつきました。それに、父にお金を出してもらって学ぶ機会をもらっているのに、遊んでちゃもったいないとも思ったんです」
 
伊賀「どれくらい勉強すると、こんな成績がとれるんですか?」
 
白鳥「平日は授業に出て、終わればまっすぐ家に帰って勉強します。土曜日も午前中は授業、午後は図書館で勉強してました」
 
伊賀「信じられない。そんな慶應大生がいるんですね!?」
 
白鳥「伊賀さんの言っているのは三田の学生の話ですよ。理工学部はキャンパスも別の場所にあり、三田とは違う大学です(笑) それに私は自分に挑戦するというか、ストイックに頑張ることも好きなんです」
 
伊賀「専攻や研究室はどうやって決めたんですか?」
 
白鳥「理工学部だと、機械、電気、化学、数学があるんですけど、当時はエレクトロニクスが人気だったので電気工学を選びました」
 
伊賀「その中で、レーザー工学の研究室を選んだのは?」
 
白鳥「友達に誘われて・・(笑) あと、当時は半導体というか、シリコンの研究は既に実用化の時代に入っていて、もう最先端ではなかったんです。自分としては『先端のことをやりたい』と思っていました」
 

<国際学会の合間にフランスのアルザス地方を訪問>

 
 

★歓迎会でドクターコース進学を宣言!★

 

伊賀「博士課程に進もうと決めたのはいつ頃ですか?」
 
白鳥「それが・・言うのも恥ずかしいような適当な話なんです。大学 4年生の時に初めて研究室に入ると、“ 4年生歓迎会”があります。そこで新 4年生が、ひとことずつ挨拶をするんです。
 
簡単な自己紹介の後、『頑張ります!』と言うんですけど、みんな同じで余りにつまらないんです。それで何かインパクトのあることを言いたいと思って、ついつい『僕はドクターコースまで行きます!』って宣言しちゃったんです」
 
伊賀「えっ? 飲み会の受け狙いでそんなことを宣言したんですか? 本当に博士課程に行こうと決めていたわけじゃないのに?」
 
白鳥「ノリです(笑) ただ、当時の博士課程にいる先輩って、4年生から見ればスゴク大人だし格好よく見えたので、まんざらじゃなかったのかもしれません」

 
伊賀「それにしても・・本当にその時の一言で博士課程に行く事が決っちゃったんですか?」
 
白鳥「信じられないですよね。でもそうなんです(笑)」